● 血が苦手だから無理かも…
看護師にとても憧れているけれど、「血が苦手だからなれないかも…」ということでためらっている方もいるでしょう。同じ悩みを抱えていた学生さんも、いざ実習が始まると意識が切り替わり、いざという時は胆が据わって冷静に対処できたそうです。実習中に血を観て倒れてしまったという方も、「目の前の患者さんを救いたい」「看護師になりたい」という思いの強さでいつしか克服できたそうです。仕事を経験している過程で、苦手になったというケースも多いんです。トラウマというものですが、その場合は外科系以外に部署変更できるので大丈夫ですよ。
衝撃映像を撮影しているカメラマンが、危険の中にあっても恐怖を感じていないように見えるのは、カメラを持つことで意識のスイッチが切り替わるからのようです。看護師も同様に、いつも苦手なことでも白衣を着るとスイッチが切り替わり、血を苦手と感じなくなるそうです。リハビリ系や精神科の看護師になる方法もあります。看護師の仕事も様々にあり、血を見ることが少ない科を選んだり、同じ病院で働くことができる薬剤師や医療事務、レントゲン技師、保健師等様々な仕事もあります。
● 不潔なのが苦手… 患者の「ありがとう」を支えに
看護師の仕事は、不潔なものを触ることなしには成り立ちません。
摘弁、排せつ介助、清拭、お風呂、食事介助等など、人から出るあらゆるものを処理しなければなりません。「不潔なのが苦手…」程度だったら、看護師になりたいという思いで何とか乗り切ることができるのですが、不潔なものを触った後に、何分も石けんをかけてしっかり洗わないと気が済まないといった方の場合は、看護師の仕事は人一倍過酷な業務となってしまうことでしょう。
看護師の仕事は、「自分でやりたいのに清潔にすることができない」そういった苦痛を抱えている方の代わりに、背をふき、排せつを解除し、食事の手伝いをする。人らしく心地よい清潔感を保つこと、人との触れ合いの中で自然治癒力を高め心を支えていくことも重要な仕事です。今働いている看護師さんも、不潔なのが苦手だけど、患者さんのことを思って仕事と割り切って頑張っている人が数多くいると思います。
「除菌」「消臭」「芳香剤」。過剰なほど除菌や清潔感を強調する教育、CM。この現代の中で、あえて不潔なものを処理しなければならない看護師という職業は、とても大変なことと思います。「衛生観念が強い」ということは必ずしも悪いことばかりではありません。むしろ院内感染を防いだり、患者さんの治療に関して、大変重要な意識です。けれども手から血が出るほど洗ったり、家に帰って何時間も風呂に入らないと不潔感が取り除けないほどつらいのであれば、難しいといえるでしょう。
母が年の離れた妹が赤ちゃんの時、おしめを替えるときに必ず排泄物をかいでいました。「なんでそんなことをするの?」と聞いた時、「うんちを見ると健康かどうかわかるんだよ。赤ちゃんは話せないから具合が悪いってわからないでしょう。においをかぐと良くわかるんだよ」と教えてくれました。そして、「今日はいい匂い」という母をみて、お母さんてすごいんだなあと思ったものです。