「白衣の」天使の時代ではない?

看護師というと、「白衣の天使」などと呼ばれます。ですが、このところ、必ずしも白衣を着ていない、白衣ではない制服が、いろいろな病院で見受けられます。また、看護師の象徴のような、ナースキャップは、すっかり鳴りをひそめました。本来の、髪の毛による汚染という意味を離れて、単なる看護師の印のようになり、しかも、毎日洗えるものではないので、かえって不衛生、ということがその理由とも言われています。

そもそも、看護師だけが、制服はもちろんストッキングから靴まで白一色ということに、意味はあるのでしょうか。同じ、患者さんと接し、衛生に気をつけねばならない医師や薬剤師などは、大抵羽織るタイプの白衣を着用し、白い靴もはきません。そういう中、最近多くみられるのは、ピンク系のナース服です。白一色の姿よりも、柔らかで優しい印象があり、患者さんにとっては親しみが持てるという面があると思います。また、ちょっぴり変な話ですが、白いナース服は、下着が透けやすいという問題があるそうです。女性の多い職場で、これは深刻な悩みでありましょうし、中にはそういうことでセクハラ的な言動に遭うこともないとは言い切れません。制服は体系が出やすいので、いつまでも女の悩みは尽きませんね。

そして、私がネットや新聞で見聞きしたユニークなナース服の試みとしては、医師・看護師全員が、カジュアルスタイルの制服を着用するという病院の例です。柄物のシャツにパンツスタイルの服であったり、まるでカフェの店員さんのようなシンプルだけどおしゃれな色合いのシャツとパンツにエプロン…などというものです。これでは、どの人が医師で看護師で事務スタッフかわからない!という問題・苦情もないわけではないようですが、胸にしっかりと職種と氏名を書いた名札を着用して、近寄ればその人が何の役目をするのかわかるようにしているとのこと。

結局、大切なのは、色で表す清潔感や役割よりも、こまめに洗って実際の衛生を保てること、動きやすいこと、という風に、看護師の制服について、少しずつ考えが変わってきていると言えなくはないでしょうか。